旋削工具各部の機能 パートB

挿入角度

5. 主切れ刃角の影響

主偏角を小さくすることで、切削工具の強度が向上し、放熱性が改善され、加工時の表面粗さが小さくなります。これは、主偏角が小さいと切削幅が長くなるため、刃先単位長さあたりの力が比較的小さくなるためです。さらに、主偏角を小さくすることで、切削工具の寿命も長くなります。

一般的に、細軸や段付き軸を旋削する場合は90°の主すくい角が選択され、外径、端面、面取りを旋削する場合は45°の主すくい角が選択されます。主すくい角を大きくすると、ラジアル分力が減少し、切削工程が安定し、切削厚さが増加し、切りくず処理性能が向上します。

価値 特定の状況
小さなエッジ角度 高強度、高硬度、硬化表面層を有する材料
大きなエッジ角度 工作機械の剛性が不十分な場合

 

6. 二次角度の影響

二次角は表面粗さに最も影響を与える要因であり、その大きさは切削工具の強度にも影響します。二次角が小さすぎると、二次フランクと加工面との間の摩擦が増加し、振動が発生します。
二次角度を選択する原則は、荒加工や摩擦に影響を与えず振動も発生しない条件では、より小さい二次角度を選択し、仕上げ加工では、より大きな二次角度を選択できることです。

7. 角の半径

工具先端円弧の半径は、工具先端の強度と加工面の粗さに大きな影響を与えます。
工具先端円弧半径が大きいほど、刃先強度が向上し、工具の前後切削面の摩耗をある程度低減できます。しかし、工具先端円弧半径が大きすぎると、ラジアル方向の切削抵抗が増加し、振動が発生し、加工精度やワークの面粗さに影響を及ぼす可能性があります。

価値 特定の状況
小さなコーナー半径 浅い切り込みの微細加工。細軸型部品の加工。工作機械の剛性が不足している場合。
大きなコーナー半径 粗加工段階。硬質材料の加工および断続的な切断作業の実行。工作機械の剛性が良好な場合。

 


投稿日時: 2025年7月30日